new 2026年は丙午になります
(湯浅佳代 水曜日教室)
今年の干支は午(ウマ)です。干支は古代中国から日本に伝わり、年や時間を数える記号で十二支あります。昔は文字の読めない人が多く、十二支の普及のため動物名を当てはめました。午は馬になります。生まれ年に合わせて誰でも自分の干支があります。日本人は干支に関する会話を良くします。例えば蛇年生まれの人は金運があるとかです。
午は正午を表す記号で太陽の光が最も強くなる時間です。私達が使っている午前、午後も「午」が由来となっています。又干支には「干」と「支」の組み合わせが本来あり、今年は60年ごとに巡ってくる丙午となります。
この年の女性は気性が激しいという迷信が昔からあり、出産が控えられ、60年前の丙午である1966年は前年比25%減の出生率でした。AI時代の今、日本は少子化問題もあり、迷信を克服して欲しいものです。
new 日本語はむずかしい3:「を」はどっち? Wo or O
( 佐々木 知子 日曜日教室)
以前ある友人との会話の中で、助詞の「を」が/o/の発音だったことを思い出した。私は「を」を、/wo/と発音する。何人かに聞くと、圧倒的に/o/が多い。どっちなのか。
結論から言いますと、戦後の「現代かなづかい」には、「を」の助詞は/o/と統合されています。
奈良時代はオ・ヲの発音に区別があったが、徐々に18世紀中頃には/wo/ から /o/ に変化し、現代と同じになったといいます。 私は確かに親から/wo/と教育を受けていたはず。もはや現代では/wo/は絶滅しかかっているのか・・・。気になりネット検索ですが調べてみました。
愛媛大学での調査結果は右の図のようになり、滋賀県は/wo/発音が多いようです。私の親、祖父祖母とも滋賀県の出身で、先祖伝来の教育であったことに納得し安心した次第です。
ところがです。愛媛大学 佐藤栄作名誉教授によりますと、ワープロの普及以降、キーボードでのローマ字入力が一般的になり、多くの人が「を」を「w,o」と入力することなどから/wo/と発音する人も増加中 とのことです。
私は密かに願っていることがあります。/wo/発音の復活です。外来語の氾濫する現代、ひらがな50音のヤ行ワ行も全て復活すれば、より外国語の発音に近い発音(?)が、できるかもしれません。
new クスクスの なかま紹介
マスロル・アスロリさんの紹介
(小島 基弘 日曜B教室)
マスロルさんは、4年前にインドネシアから日本に来ました。道路用の各種ブロックや雨水桝などのコンクリート製品を作る仕事をしています。仕事だけでなく、オンラインの大学にも入学して経済学の勉強をしています。クスクスには3年前に入会し、ほとんど欠席することなく、毎回熱心に日本語の学習を続けている真面目な学習者さんです。土日も学習にがんばるマスロルさんには頭が下がります。
そんなマスロルさんは、昨年の春、きれいなお嫁さんと結婚しました。お嫁さんは、日本へ来るために勉強中とのことで、まだ一緒には暮らせていません。お嫁さんが早く日本に来られ、二人で幸せな家庭を築かれることを心から祈っています。
外国語を学ぶこと
(小島基弘 日曜日B教室)
私は外国語の学習が好きです。英語は中学校での最初の授業以来長らく続けており、今も週一回英会話クラスで学び、月2~3回はイングリッシュカフェで英会話を楽しんでいます。また、10年ほど前から中国語の学習も開始し、週2回中国語クラスに通っています。
外国語を学ぶと自然とその国のことが気にかかり、いろいろと知りたくなります。そして、日本と外国の人の考え方や文化の違いなどに気づき、いろいろと発見することがあります。その都度、視野が広がる気がします。
クスクスの学習者さんにも、日本語だけでなく、日本について、いろいろなことに興味を持ち、知っていただけたらと願っています。その一助になればと、ウォーミングアップの時間には、日本に関するニュースを読んだり、四季折々の行事や文化・風習などについて紹介したりしています。
日本語教育とフォントの話
(小島 基弘 日曜B教室)
(UDデジタル教科書体のご紹介)
パソコンで文書を作成し、印刷する際、皆さんはどのようなフォントを使用していますか?
マイクロソフトのWordなどを使い、特に何も設定せずに日本語を入力する場合、通常、フォントとしては「MS明朝」や「MSゴシック」が選択されていることが多いかと思います。
日本語教育という観点からこれらのフォントを見ると、その字形は、必ずしも理想的な形になっているとは言えません。例えば、右の図をご覧ください。漢字の「入」と「人」、ひらがなの「さ」と「き」を例として示しています。「教科書体」というのは、正確には「UDデジタル教科書体」という名前のフォントです。最近のWindowsパソコンには必ず入っていると思います。
この例でわかるように、私たち日本人が普通に使用しているゴシック体や明朝体は、実際に手書きしている時の字体とはかなり異なっています。それに対し、教科書体は、ふだん書いている字体に近くなっています。
つまり、日本語学習者が、ゴシック体や明朝体の文字を見て、そのとおりにまねをして書こうと練習すると、日本人が書いている字体とは異なる、少し変な文字になってしまう恐れがあります。これでは、思わぬところで学習者に悪影響を与えてしまうことになります。
パソコンを使って日本語学習者向けの教材や文書などを作成する際には、「UDデジタル教科書体」を使用することをお勧めします。クスクスだよりも、そうした方が良いかもしれませんね。
小島さんの提案を受け、クスクスだよりの今月号から本文のフォントをUDデジタル教科書体に変更しました。
夕涼み (岸本 眞佐男 副代表)
今年、私の実家がある兵庫の山あいの町で、歴代日本最高温度が観測された。いったい何が起きているのだろうか。子供がまだ小さかった頃、夏休みになると、大阪の暑さから逃げるように、頻繁に実家に帰っていた。クーラーなど無かったが、支障なく昼寝が出来た。夕方、ヒグラシの声がしてくると、裏庭にたっぷり打ち水し、床几やテーブルを出し、一番星が出る頃からそこで夕食や線香花火を楽しんだ。天ノ川が見える頃には、山から冷たい風が流れてき、地の人はそれを「極楽のあまり風」と呼んでいた。やがて何か羽織るものが必要なほど涼しくなったものである。
考えて見れば、それがわずか30年ほど前のことなのである。いつの間にか実家でもクーラーが必須になり、猛暑日や熱帯夜が当たり前になった。この変化の早さには恐怖さえおぼえる。温暖化は、近年幾何級数的に進行しているように感じる。
万博ボランティアの思い出 (新井 有美 火曜日教室)
6月の初め、大阪・関西万博のボランティアに参加してきました。地元・大阪での一大イベント。せっかくだから、何かお手伝いできればと思って応募しました。
4人グループで活動が始まり、その中にテキパキとお客様を案内する女性がいました。外国人のお客様にも、堂々と流暢な英語で接しています。休憩時間に、万博会場のビールの話題になった時、彼女が言いました。「私、18歳だからまだ飲めないんです」
大人びた印象だったので、全員が「えっ!」と声が出るほどの驚きでした。海外の高校を卒業したばかりとのこと。「みなさんと活動できて、本当に楽しいです!」彼女の明るいムードのおかげで、チームは一気に和やかになりました。活動の最後には「記念写真を撮りたいですね!」のひと言で、みんなそろって笑顔でカメラに収まりました。
これが、私にとって初めてのボランティア体験です。この万博は、忘れられない思い出になることでしょう。
右端が
新井さん
「好き」をながめる時間をつくる
(住友 未来子 日曜日教室)
大阪万博のボランティア活動に参加し、道案内を通じて世界各国からの来訪者と交流できました。
英語や他言語でのコミュニケーションは難しさもありましたが、ウェルカムボードでたくさん写真を撮ってもらい、たくさんの家族の楽しい思い出に参加することができました。笑顔やジェスチャーで心が通じ合う瞬間が何度もあり、国境を越えたつながりの大切さを実感しました。写真を撮った後、目を輝かせて「ありがとう」と言ってくれた子供たちのことが忘れられません。その純粋な感動が、万博の魅力を物語っているように感じました。
また、活動の合間には多くの国のパビリオンを訪れ、それぞれの文化や技術に触れることができました。特に未来の暮らしを体験できる展示では、自分がまるでSF映画の世界に入り込んだ感覚になり、思わず「もっと知りたい!」という気持ちが湧きました。人気のガンダムパビリオン、スペイン館の生フラメンコ、クウェート館の砂漠の砂体験、アメリカ館の月の石、UAE館のらくだのミルクを飲めるなど、たくさん新しい体験ができます。ボランティアとして人の役に立てた喜びと、自分自身が学び成長できた充実感がありました。この経験を通じて、異文化理解やホスピタリティの重要性を学び、今後も積極的に国際的な活動に関わっていきたいと思います。
ウェルカムボードで活躍する住友さん
日本語はむずかしい(2)
笑いのオノマトペ (^.^) オホホホ
(佐々木 知子 日曜日A教室)
物語
事件はパーティー会場の準備室でおこった。用意された菓子が減っていた。怪しい人物は5人に絞られた。
礫野浪平(50代男性)、バイキングマン(不詳)、原静香(小学5年生女子)、スカンク草丼(40代?男性)、伊佐板軽(50代女性)
犯人らしき声を聞いたという人物によると、「オホホホ」の笑い声を聞いたという。菓子のおいしさに、おもわず笑いが もれたようだ。
「オホホホ」の笑いは女性的で、そして若くはないはず。だから犯人は・・・。なんて短絡的な空想をしてしまいました。笑い声の「オホホホ」は、上品な女性的笑い(不気味さもある) とコメントされ、おそらく中年女性を連想された方も多いと思います。このセンスで犯人を決定してしまうと、「え、あの上品で落ち着いたお軽さんが!?」犯人かもしれないけれど、証拠不十分。
[ほほほ]を「hohoho]と書きあらわすことにします。はたして海外の方たちは単純に、この笑い声の主を、女性と連想するのでしょうか。
ヒンディー語では男性は「haha」で笑い、女性は「hehe」で笑い声を書き表すそうです。
中国語では、“呵呵”は「hohoho」に対応する。日本語で「hohoho」は女性的な笑い声を表す語であるが、中国語には[o]音を持つオノマトペがないため, 「哈哈/ xaxa」,「嘿嘿/ xeɪxeɪ」に訳される場合が多く、含み笑いを描写する「フフ」は「哼哼哼/ xɤŋ xɤŋ xɤŋ」に訳される場合もある。そして中国語の“呵呵”は女性だけに用いられる語ではない。
(日中オノマトペにおける「笑い」表現の使用とその日中対訳 孫 逸 筑波大学大学院 人文社会科学研究科 より)
ちなみに サンタクロースの笑いも「hohoho」です。それはホーホーホー」と、力強い[o]の引き伸ばしがあります。
笑のオノマトペは他国の方でも、共鳴できるのではと思えました。しかしながら昔から慣習として云われてきた『やけどに醤油』が、やけどには適切な方法でないように、信じ込みを避けるべき禁物であることに、似ている気がします。世界へ共通の感覚と、思ってはいけないですね。
クイズです。
Q 西アフリカのガーナで話されているオノマトペに、「カナナナナナナ」という言葉があります。どんな様子を表したオノマトペでしょうか。ニュアンスの近いものはどれでしょうか。
A. 先生が話し出すと、騒がしかった教室が“シーン”とした。
B. セミが“ミーンミーン”とせわしなく鳴いている。
C. 彼女は“ジャーン!”と大げさに、隠していたものを周りに見せた。
D. 彼は“グーグー”とイビキをかきながら眠っている。 答は最後にあります
次はフランス語の動物の鳴き声のオノマトペです。日本語と似ていると思いませんか。
犬: wouaf wouaf (ワッフワッフ)
猫:miaou miaou (ミャウミャウ)
にわとり:cocorico (ココリコ)
馬:hiiiiiiii(ヒィィィィ)
かえる:coax coax (コワコワ)
答えは[A]です
心臓とこころ (森 勝則 代表 火曜日教室)
私たちは日常的に「心臓」と「こころ」を何となく同義語(同じ意味の言葉)として使っているが、「心臓」は臓器であり、「こころ」は感情なので、全くの別物である。国語辞典で心臓は「循環器系の中心をなす内臓」であり、こころは「感じたり思ったり判断する感情の働き」と区別している。
一方、英和辞典で心臓(heart)は「感情の宿る心、胸部、感情」であり、こころ(mind)は「心、精神的に思考、意識を受け持つ部分」とされている。このように欧米ではほぼ同義語であるが、果たして心臓には心があるのだろうか?
心臓移植をすると、移植者側にドナーの癖や好みが受け継がれる事例が報告されているそうだ。古代キリスト教徒やマヤ文明でも心臓が「魂の場」とされて、「聖なる心臓(サクレ・クール)」の言葉が登場する。
古代日本語の表現にも、「こころがときめく」、「こころが躍る」、「こころが寂しい」、といった風に、あたかも心が心臓にあるかのように表現されている。私には「心臓は単なる臓器」というより、やはり「温かいこころ」であって欲しい。